2026.10.3── パンフレット / あなたが生きていたことを
2026.10.03
映画『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』パンフレットに、山戸結希の監督インタビューが掲載されています。

応答の一部を、引用いたします。
………
──(……物語に触れるため割愛……)
こうした映像表現を取り入れた狙いは?
撮ることは、命を残すという根源的な営みでもあります。古代から洞窟の壁画にも人間の姿が描かれているように、自分が生きていたこと、あなたが生きていたことを、人間はどうしても残したい。人間は誰しも必ず亡くなってしまうから、その約束への抵抗として、同じベクトルだけ記録せんという行為があるということに思います。
(……パンフレットへと、続いてゆきます……)
──治療を一時的にお休みしながらも、子どもを産みたいと願った和さんの決断力を、監督はどのように感じましたか?
抗がん剤治療をお休みしてでも、妊娠を目指すべきなのかということは、周囲は本人のことを大事に思うからこそ止めたり、あるいは無関係だからこそ容易に批判できたりするような、教科書的な答えでは捌けない、その立場によってアプローチの異なる問題だと思います。ここで大切なことは、いざ当人となった場合には、一気に当事者としての視点に絶対的に収斂され、ご本人にしか見えない景色があるということだと思います。
(……パンフレットへと、続いてゆきます……)
──青森という土地の空気感は、この物語にどのような影響を与えたと思われますか。
(……物語に触れるため割愛……)
青森の方たちの思いやり深さのおかげで、スクリーンの隅々まで、愛情溢れる群衆シーンを撮ることができたのだと感じています。
私たちは東京で映画づくりをしていますが、青森という地で撮影させていただきながら、今ここで生きている女の子が、これは自分の映画だと思えるような作品にしなくてはいけないと、強く感じました。
日本中で、そう思っていただけるような作品にしなくてはならないのだと。
………
心を込めて、作品の根底に踏み込みながら、映画をめぐってお話させていただきました。
鑑賞後の映画館にて、めぐり会っていただけたなら。
………
編集:大島美樹
取材・文:細谷美香





